北海道の鉄道をみんなで晴れにする取組

「北海道の鉄道が晴れマークになりますように」という本プロジェクトのキャッチフレーズ。実は、北海道の鉄道網の大部分を担うJR北海道(以下、JR)は、いま厳しい経営状況に置かれています。

その背景としては、JRが発足以来、鉄道運輸収入が長期的に減少傾向にある中、収入の維持や人件費の削減などに努めた一方で、計画的に増額すべきであった修繕や設備投資などが行われてこなかったため、近年、その投資が急激に増加していることや、国鉄分割民営化の際に、経営の安定を図るために設けられた経営安定基金から、営業損失を補填するに十分な運用益を得られていないことなど、様々な要因が挙げられます。

こうした中、JRは平成28年11月、「当社単独では維持困難な線区」を公表し、輸送密度(利用状況)に応じて線区を色分けした上で、それぞれの地域に適した持続可能な交通体系のあり方について、地域と相談したいという意向を示しました。

道内の交通を取り巻く環境が大きく変化していることに対応するため、道は平成30年3月、北海道交通政策総合指針を策定し、本指針の中で、JRの個別の線区について、道が総合的な交通政策を推進する上での基本的な考え方を全道的な観点から示しました。

その後、国は平成30年7月、JRに対する監督命令を発出し、北海道新幹線の札幌延伸の効果が発現する令和13年度の経営自立を目指して、経営改善に向けた取組を着実に進めることを命ずるとともに、令和元年度から2年度までの支援の考え方を示しました。これを受け、JRは平成31年4月、長期経営ビジョン及び中期経営計画を策定し、経営自立に向けた取組を進めることになりました。

一方で、監督命令においては、利用が少なく鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区において、JRが実施する設備投資や修繕に対する国の支援については、地方自治体からも同水準の支援が行われることを前提に支援する考え方となっているほか、JRが地域関係者と一体となって利用促進やコスト削減に取り組むことを求めました。

JRの経営自立を図っていくためには、国鉄改革の趣旨やこれまで国が累次にわたり支援してきた経緯を踏まえ、引き続き、国が中心的な役割を担っていくことが不可欠である一方、JRの危機的な経営状況を踏まえると、JRの徹底した経営努力と国からの実効ある支援に加え、地域においても可能な限りの協力・支援が必要です。

こうした認識のもと、道及び沿線自治体等では、令和元年度及び2年度において緊急的かつ臨時的な地域独自の支援を行うとともに、道が中心となって官民連携による北海道鉄道活性化協議会を立ち上げ、全道的な鉄道の利用促進の取組を展開しています。また、鉄道を持続的に維持するため、JRが線区ごとに策定しているアクションプランに基づき、JRが地域関係者と一体となって利用促進やコスト削減に取り組んでいます。

令和3年4月にはJR北海道等に対する支援の継続・拡充に向けた関連改正法が施行され、国は助成金の交付等の支援期限を令和12年度まで延長することとした上で、JRに対し、国の監督命令に基づく第2期集中改革期間に当たる令和3年度から令和5年度までの3年間に、総額1,302億円の支援を実施する予定です。

さらに、地域においても引き続き、アクションプランに基づく取組を進めるとともに、道が国と協調して、観光列車としても活用可能な鉄道車両の導入を支援し、その車両を活用して沿線地域の魅力発信や鉄道の利用拡大に向けた取組を進めることとしています。こうした様々な鉄道の利用促進策等に地域が連携して取り組むことで、鉄道需要の喚起を図り、持続的な鉄道網の確立を目指しています。